今の生活や仕事に息苦しや閉塞感、居心地の悪さを感じている方、何かを変えてみたいと思ってる方に読んで頂けたら幸いです。
海外で仕事をしてみたいと考えておられる方にもぜひ読んで頂きたいです。
将来への不安
30年以上の仕事人生の大半を海外で過ごしてきました。今はバンコクに住んでいます。
僕の仕事人生の大半が海外となったのは偶然ではなく、自分自身の選択でした。
大学卒業後、東京都内の大手企業に就職をしました。多くの経験をし、仕事にもやりがいを感じていましたが、朝早く家を出て、終電でへとへとに疲れて帰る毎日に漠然とした不安と不満を感じていました。
そして、日々の生活にも息苦しさというか閉塞感というか、何だか居心地の悪さを感じていました。
相当なストレスを抱え込んでいたのだと思います。健康診断の結果は、毎年年を追うごとに悪くなっていきました。
中国への赴任
そんな時、中国赴任の募集が社内であり、家族、友人、同僚、上司の反対を押し切り、中国赴任を決めました。
当時、最年少部長だった僕が、海外(しかも中国)の現地法人へ出向するというのは、周りの人たちからすれば、完全な都落ちで、何か理由があって島流しにあったのだと思われたに違いありません。
中国行きの目的は、思い切って海外へ行き、日本では得られないビジネス経験を積み、ピカピカのスキルを獲得すること。そして、何かを変えてみたかったからです。
大きな挫折
しかし、海外で働くというのは、生半可なものではありませんでした。
赴任先の会社には日本語をしゃべる社員は一人もおらず、冗談の一つも言えない。
社員に技術教育をしようと思い提案すると、「日本から学ぶものはありません」と拒否される。
外を歩いていると、突然ガラスの瓶を投げつけられ「日本人は日本へ帰れ!」と怒鳴られる。
などなど、散々な日々が続きました。
ある日、当時、中国で唯一の中国人の友人だった張さんと会い、食事をしました。
僕の悩みを打ち明けると「僕は日本から多くを学ばせてもらった。こうして今の自分があるのは日本のお陰だと思っている。今でも日本人から多くを学びたいと思っている。でも、中国人全員がそう思っている訳ではない。日本人は自分の国が最高だと思っているから、中国ではいつも上から目線になっている。中国人を上から見下ろして、『こうすべきだと』と言う。でも、誰だってそういう風に言われたら気持ちが良くない。」
僕は、はっとしました。
自分では意識していなくても、社員に日本流を強要していたのだと気が付きました。
『今、自分が変わらなければ、全てが失敗してしまう』と強く思いました。
自分が変わらなければ何も変わらない
翌日から、僕は自分自身を変えることに悪戦苦闘しました。
相手を尊重している証として相手の言葉でしゃべれるようになる。
相手の国の文化を尊重している証として毎日中国料理を食べ料理名を覚える。
休日は、中央電視台で流行りのドラマやニュースを見る。
買い物はローカルの市場。
通勤も社用車をやめて公共バス 。。。。。
今振り返るとちょっと滑稽なこともありますが、中国人の社員と同じ目線にならないと見えてこないことはたくさんあったと思います。
いつしか社員が笑顔で挨拶をし、話しかけてくれるようになりました。
折しも、僕の中国赴任の開始は、中国のWTO加盟により日系企業の中国進出が加速した年で、中国で多くの事業経験を積むことになりました。
また、赴任から3年が経過した頃には日々努力を重ねてきた中国語も、社員と冗談が言い合えるぐらいまでに上達しました。
毎日会社にヘッドハンターから中国語で電話がかかるようになり、僕もやっと少しだけ自分に自信が持てるようになりました。
会社を辞める
中国に赴任してから5年が経過したころ、本社への帰任の打診があったのを機に会社を辞めました。もっと海外で仕事がしたかったからです。僕を中国に送り出してくれた社長には今でも大変感謝しています。
その後も中国でのビジネス経験を積み、トータル10年を中国で過ごしました。
中国の政治情勢が大きく変化したのを機に、今は東南アジアに活動の場を変えています。
中国に赴任した際は、5年程度中国で海外経験を積み、それを引っ提げて、日本へ凱旋すると考えていましたので、随分と若い時に考えていたのとは違う人生になっています。
なぜ海外?
理由ははっきりしています。
居心地が良くて、幸せだからです。
そして、人生の充実感を味わえるからです。
今は、タイを拠点に、無理なく、自分のペースで、自身の海外経験とスキルを活かして仕事をしています。
日本では、タイというと少しさげすむようなことをいう方がいますが、タイ人の友人ができたり、タイの国情や文化を知れば、僕たちこそ学ばなければならないことが多いのだということに気が付くと思います。
僕は、タイの文化、タイ料理、タイの人たちが大好きです。タイでの生活はとても快適です。たまには文句を言いたくなるときもありますが、すぐに忘れてしまいます。
自分で選択した海外での仕事人生。日本にいたら、こんなに多くの経験もできなかったと思いますし、こんなに多くの人たちとの出会いもなかったと思います。
人生は一度切り
一度きりの人生ですから、思い切りわがままして、自分のしたいことをしていいんです。
実際に経験してみないと分からないことはたくさんあります。
実際にやってみないと向き不向きも分かりません。
もっと言えば、自分に不向きと思っているものでも、環境を変えたり、何度も何度もやっているうちに得意なものになります。
僕は外国語は苦手でしたが、今では英語、中国語、タイ語もしゃべります。
自分の思いを大事にして、自分のしたいことをしてみましょう。
僕は海外での仕事人生を選んで、心底良かったと感じています。
それは、今、とても幸せで充実しているからです。
僕の経験が、仕事や人生のことで悩まれている方のお役に立てたらとても嬉しいです。
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